Last Updated on 2025年12月23日 by スマート学習ナビ
東京農業大学の基本情報と魅力
東京農業大学は、1891年創立の徳川育英会育英黌農業科を起源とする、130年以上の歴史を持つ私立大学です。農学系の私立大学としては日本最古の伝統を誇り、実学主義を教育理念として掲げています。世田谷、厚木、北海道オホーツクの3つのキャンパスに、6学部23学科を擁する農学・生命科学系の総合大学として発展を続けています。
現在の在籍学生数は約12,945名で、全国から多くの受験生が集まる人気大学となっています。2025年度入試では、偏差値が35.0から55.0の範囲にあり、学部や学科によって入試難易度に幅があるのが特徴です。
130年の歴史を持つ農学系総合大学
東京農業大学の最大の特徴は、農学分野における圧倒的な実績と専門性にあります。1891年の創立以来、日本の農学教育をリードしてきた歴史があり、農業・食品・環境・生命科学など幅広い分野で社会に貢献する人材を輩出してきました。
大学が掲げる「実学主義」とは、単なる知識の習得にとどまらず、実践的な技術や応用力を身につけることを重視する教育方針です。この理念のもと、各学部では豊富な実験・実習科目が用意されており、学生は理論と実践を結びつけた学びを体験できます。
また、東京農業大学は国際化にも力を入れており、海外協定校との長期留学プログラムや短期研修など、多様な国際教育プログラムを実施しています。グローバル化する農学分野において、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。
卒業生は全国で18万人以上におよび、各界で活躍する校友のネットワークは、在学中や卒業後の就職活動においても大きな強みとなっています。
3つのキャンパスとそれぞれの特徴
東京農業大学は、学部の特性に応じて3つのキャンパスに分かれています。
世田谷キャンパス(東京都世田谷区)は、大学のメインキャンパスです。農学部、応用生物科学部、生命科学部、地域環境科学部が設置されており、最寄り駅の千歳船橋駅から徒歩圏内という都内の好立地にあります。都心へのアクセスが良好で、学生生活と学業の両立がしやすい環境です。
厚木キャンパス(神奈川県厚木市)には、国際食料情報学部が設置されています。広大な敷地を活かした実習施設が充実しており、食料・農業・国際協力に関する実践的な学びができる環境が整っています。
北海道オホーツクキャンパス(北海道網走市)は、生物産業学部の拠点です。北海道の大自然を活かした農業実習やフィールドワークが特徴で、ここでしか体験できない学びがあります。寒冷地農業や水産業など、北海道ならではの専門分野を学ぶことができます。
各キャンパスには、それぞれの学問分野に特化した最新の研究施設や実験設備が整備されており、充実した教育環境が用意されています。
実学主義が生み出す高い就職実績
東京農業大学の大きな魅力の一つが、圧倒的な就職実績です。大学への求人件数は非常に多く、求人倍率は5.48倍にも達しています。これは全国平均の1.53倍を大きく上回る数字で、学生一人あたり5社以上から求人があることを意味します。
2022年3月の学部卒業生2,970名のうち、約95%が就職しており、複数の学科では就職率100%を達成しています。コロナ禍においてもこの高い就職率を維持できたのは、大学の充実した就職支援体制と、企業からの高い評価の証です。
東京農業大学の就職支援の特徴は、キャリアセンター、学科、研究室の三位一体によるサポート体制にあります。キャリアセンターでは1年次から参加できる「農大入門」や「キャリアデザイン講座」など、早期からキャリア意識を育成するプログラムを実施しています。
また、3年次から所属する研究室では、指導教員や先輩との交流を通じて、専門分野に関連した就職情報や業界知識を得ることができます。実際の研究活動を通じて培われた専門性と実践力は、就職活動において大きな武器となります。
さらに、全国47都道府県の校友会支部と連携したUターン・Iターン就職支援も充実しており、地元での就職を希望する学生にも手厚いサポートが提供されています。
学部別の偏差値と入試難易度
東京農業大学の偏差値は、学部や学科によって幅があります。ここでは、2026年度入試に向けた最新の偏差値情報をもとに、各学部の入試難易度を詳しく解説します。自分の学力と志望学部を照らし合わせて、合格に必要な学力レベルを把握しましょう。
生命科学部・応用生物科学部(偏差値50〜61)
生命科学部は、東京農業大学の中で最も偏差値が高い学部の一つです。偏差値は50.0から60.0の範囲にあり、バイオサイエンス学科、分子生命化学科、分子微生物学科の3学科で構成されています。
生命科学部では、生命現象を分子レベルで解明する最先端の研究が行われています。バイオテクノロジー、遺伝子工学、タンパク質科学など、現代社会で注目される分野を学ぶことができます。共通テスト得点率は72%から85%と高めに設定されており、確実な基礎学力が求められます。
応用生物科学部も、偏差値50.0から61.0と高めの難易度となっています。農芸化学科、醸造科学科、食品安全健康学科、栄養科学科の4学科があり、食品科学や栄養学の専門知識を身につけることができます。
特に栄養科学科は管理栄養士の国家試験受験資格が取得できることもあり、毎年高い人気を集めています。食品業界や医療・福祉分野への就職を目指す受験生にとって、魅力的な選択肢となっています。
| 学部・学科 | 偏差値(ベネッセ) | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 生命科学部 バイオサイエンス学科 | 54〜60 | 77〜85% |
| 生命科学部 分子生命化学科 | 54〜56 | 74〜77% |
| 応用生物科学部 栄養科学科 | 56〜61 | 74〜81% |
| 応用生物科学部 農芸化学科 | 56〜59 | 72〜78% |
これらの学部を志望する場合、偏差値55以上を目標に学習を進める必要があります。特に理科(生物・化学)の深い理解と、英語の長文読解力が合格の鍵となります。
農学部・地域環境科学部(偏差値45〜58)
農学部は、東京農業大学の看板学部として長い歴史を持ちます。農学科、動物科学科、生物資源開発学科、デザイン農学科の4学科があり、偏差値は45.0から58.0の範囲です。
農学科では作物栽培や土壌科学、植物育種など、農業の基礎から最先端技術までを学びます。動物科学科では畜産や動物の生理・遺伝について研究でき、将来は農業法人や食肉・乳業メーカーなどへの就職が期待できます。
2018年に新設されたデザイン農学科は、農業とデザインを融合させた新しい学問領域を扱い、これからの農業のあり方を考える学科として注目されています。
地域環境科学部は、環境保全や地域創生に関心のある受験生に人気の学部です。森林総合科学科、生産環境工学科、造園科学科、地域創成科学科の4学科があり、偏差値は40.0から56.0です。
造園科学科では、都市緑化や公園設計などランドスケープデザインを学び、造園施工管理技士などの資格取得も目指せます。森林総合科学科では森林資源の保全と活用について学び、林業や環境コンサルタントへの道が開けます。
| 学部・学科 | 偏差値(ベネッセ) | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 農学部 農学科 | 53〜58 | 76〜79% |
| 農学部 動物科学科 | 53〜57 | 73〜78% |
| 地域環境科学部 森林総合科学科 | 54〜55 | 76〜78% |
| 地域環境科学部 造園科学科 | 51〜55 | 72〜78% |
これらの学部は、東京農業大学の中では標準的な難易度となっており、偏差値50前後を目指して学習を進めれば合格圏内に入ることができます。
国際食料情報学部・生物産業学部(偏差値35〜55)
国際食料情報学部は、グローバルな視点から食料問題を考える学部です。国際農業開発学科、食料環境経済学科、アグリビジネス学科、国際食農科学科の4学科があり、偏差値は52.0から59.0となっています。
この学部の特徴は、国際協力や食料経済、ビジネスの視点を取り入れた農学を学べる点です。海外での実習やフィールドワークの機会も多く、将来は国際機関やグローバル企業、商社などでの活躍が期待できます。
生物産業学部は、北海道オホーツクキャンパスに設置されている学部で、偏差値は35.0から51.0と、東京農業大学の中では最も入りやすい学部となっています。北方圏農学科、海洋水産学科、食香粧化学科、自然資源経営学科の4学科があります。
北海道の大自然を活かした実践的な学びが特徴で、寒冷地農業や水産業、地域資源の活用など、北海道ならではの専門分野を学ぶことができます。共通テスト得点率は58%から64%と比較的低めに設定されており、基礎学力をしっかり固めれば合格可能です。
| 学部・学科 | 偏差値(河合塾) | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 国際食料情報学部 食料環境経済学科 | 47.5 | 74〜78% |
| 国際食料情報学部 国際農業開発学科 | 45.0 | 73〜76% |
| 生物産業学部 海洋水産学科 | 40.0 | 62〜64% |
| 生物産業学部 自然資源経営学科 | 35.0 | 58〜61% |
生物産業学部は、北海道での生活に興味がある受験生や、偏差値に不安がある受験生にとって、東京農業大学へのチャレンジがしやすい学部といえます。卒業後は北海道での就職はもちろん、全国の食品メーカーや農業関連企業への就職実績もあります。
東京農業大学の入試制度を徹底分析
東京農業大学の入試制度は、受験生にとって非常にチャレンジしやすい仕組みになっています。複数の入試方式が用意されており、自分の得意科目や学習状況に応じて最適な受験方法を選択できます。ここでは、主要な入試制度について詳しく解説します。
一般選抜(A日程・B日程)の特徴
東京農業大学の一般選抜は、A日程とB日程の2回実施されます。最大の特徴は、全学部・全学科で統一問題を使用している点です。これにより、同じ日に複数の学科を併願することが可能で、合格のチャンスを大きく広げることができます。
試験科目は3科目型で統一されており、以下の組み合わせとなっています。
- 英語:必須科目(筆記試験のみ、リスニングなし)
- 選択Ⅰ:数学または国語から選択
- 選択Ⅱ:生物基礎・生物、化学基礎・化学から選択(学科により数学も選択可)
選択科目は出願時に決める必要はなく、試験当日に問題を見てから選択できるのも大きな特徴です。ただし、同一日に複数学科を併願する場合は、すべての学科で共通の選択科目を選ぶ必要があるので注意しましょう。
試験時間は各科目60分で、配点は各100点の計300点満点です。合格最低点は学科や日程によって異なりますが、おおむね6割から8割の得点率が合格ラインとなっています。
A日程は2月上旬に3日間連続で実施され、B日程は2月下旬に実施されます。同じ学科に複数回出願することも可能なため、第一志望の学科への合格チャンスを最大限に活かせる仕組みになっています。
また、試験会場は世田谷キャンパスのほか、全国主要都市にも設置されるため、遠方の受験生でも受験しやすい環境が整っています。
共通テスト利用選抜のポイント
大学入学共通テスト利用選抜は、共通テストの成績のみで合否判定が行われる入試方式です。前期と後期の2回実施され、一般選抜と併願することで合格の可能性を高めることができます。
利用科目は学科によって異なりますが、基本的には以下のパターンです。
- 3科目型:英語、数学または国語、理科
- 4科目型:英語、数学、国語、理科
- 5科目型:英語、数学、国語、理科、地歴公民
共通テスト利用選抜の合格ラインは、学科によって異なりますが、おおむね70%から85%の得点率が必要です。特に生命科学部や応用生物科学部の人気学科では、80%以上の高得点が求められることもあります。
共通テスト利用選抜の大きなメリットは、個別試験を受けずに複数の大学・学部を併願できる点です。私立大学の一般選抜と日程が重ならないため、受験機会を増やすことができます。
ただし、共通テストでは幅広い科目の学習が必要となるため、早い段階から計画的に学習を進めることが重要です。特に理科と社会の基礎科目は、高校1・2年生のうちから着実に学習を積み重ねておきましょう。
総合型選抜・学校推薦型選抜の活用法
東京農業大学では、総合型選抜と学校推薦型選抜も実施されています。これらの入試方式を活用することで、一般選抜よりも早い時期に合格を確定させることができます。
総合型選抜には、以下のような複数の方式があります。
- 総合型選抜 自己推薦型:志望理由書や活動報告書をもとに選考
- 総合型選抜 高校で学んだ実践スキル:専門学科での学習成果を評価
- 総合型選抜 東京農大併設高校:系列高校からの推薦
- 総合型選抜 フィールド施設研修生:大学の研修プログラム参加者向け
選考方法は、書類審査、面接、小論文などを組み合わせて実施されます。事前課題が課される場合もあり、過去5年分の出題テーマは大学ホームページで公開されています。
学校推薦型選抜(公募制)は、高校からの推薦を受けた生徒が出願できる入試方式です。評定平均値の基準は学科によって異なりますが、おおむね3.5以上が目安となっています。
選考では、調査書、推薦書、志望理由書などの書類審査に加えて、面接や小論文が実施されます。学科への適性や学習意欲、将来の目標などが総合的に評価されます。
総合型選抜や学校推薦型選抜で合格した場合、入学前準備教育(有料)を受講できます。これは任意ですが、入学後の学習にスムーズに入れるよう、基礎科目の通信講座が用意されています。また、入学後もリメディアル教育として、必要な基礎科目が開講されるので安心です。
科目別入試対策と効果的な勉強法
東京農業大学の一般選抜では、全学部で統一問題が出題されます。そのため、過去問を分析して出題傾向を把握し、効率的に対策を進めることが合格への近道となります。ここでは、科目別の入試傾向と具体的な対策方法を解説します。
英語対策:標準レベルの長文読解を確実に
東京農業大学の英語は、標準レベルの長文読解が中心となっています。試験時間は60分で、大問数は4つから5つ程度です。文法・語彙問題、長文読解問題、会話文問題などがバランスよく出題されます。
難易度は標準的で、難解な単語や複雑な構文はあまり出題されません。しかし、時間内に正確に解答する力が求められるため、速読力と正確性の両方を鍛える必要があります。
効果的な学習方法は以下の通りです。
- 単語・熟語:ターゲット1900や速読英単語などの標準的な単語帳を完璧にマスターする
- 文法:Next StageやVintageなどの文法問題集を繰り返し解き、基礎を固める
- 長文読解:やっておきたい英語長文300・500などで、様々なテーマの文章に慣れる
- 過去問演習:時間を計って過去問を解き、時間配分の感覚を身につける
特に長文読解では、農学や環境、食品に関するテーマが頻出です。これらの分野の背景知識を持っておくと、内容理解がスムーズになります。日頃から科学系のニュースや記事に触れておくとよいでしょう。
また、リスニングは試験科目に含まれないため、筆記試験の対策に集中できます。読解スピードを上げるために、毎日30分程度は英文を読む習慣をつけることをおすすめします。
数学対策:基礎力と正確性が合否を分ける
数学を選択する場合、出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列、ベクトル)です。試験時間は60分で、大問は5つ、全問マークシート形式となっています。
難易度は標準レベルで、教科書の基本例題から応用問題までをしっかり理解していれば対応できます。ただし、大問4と大問5はやや独特な出題形式になることがあるため、過去問でパターンに慣れておくことが重要です。
頻出分野は以下の通りです。
- 数学Ⅰ・A:2次関数、確率、図形と計量、データの分析
- 数学Ⅱ・B:微分・積分、数列、ベクトル、三角関数
効果的な学習方法は以下の通りです。
- 基礎固め:チャート式(青または黄)の例題を完璧に理解し、解法パターンを身につける
- 計算力強化:毎日計算練習を行い、速く正確に計算できる力を養う
- 典型問題の習得:4STEP や Focus Gold などの問題集で、標準的な問題を繰り返し解く
- 過去問演習:東京農業大学の過去問を最低5年分は解き、出題傾向をつかむ
東京農業大学の数学は、奇をてらった難問は出題されず、基礎から標準レベルの問題が中心です。そのため、基本的な解法をしっかりマスターし、ケアレスミスを減らすことが高得点への鍵となります。
マークシート形式のため、途中式での部分点はありません。最終的な答えが合っているかどうかが評価されるので、計算ミスや転記ミスに十分注意しましょう。見直しの時間を確保することも重要です。
理科対策:生物・化学の頻出分野を押さえる
理科は生物基礎・生物または化学基礎・化学から選択します。農学系の大学ということもあり、生物を選択する受験生が多い傾向にあります。
生物の出題傾向は以下の通りです。
試験時間は60分で、大問4つから5つの構成です。遺伝、代謝、生態系、進化など、幅広い分野から出題されます。特に細胞の構造と機能、遺伝子とタンパク質、生態系とエネルギーの分野は頻出です。
グラフや実験データを読み取る問題も多く出題されるため、考察力や応用力が求められます。単なる暗記ではなく、生物学的な思考力を養うことが重要です。
化学の出題傾向は以下の通りです。
理論化学、無機化学、有機化学がバランスよく出題されます。特に理論化学では、酸・塩基、酸化還元、化学平衡、電気化学などが頻出分野です。計算問題も多く出題されるため、計算力の強化が必須です。
有機化学では、構造決定や異性体に関する問題がよく出題されます。官能基の性質や反応機構をしっかり理解しておく必要があります。
効果的な学習方法は以下の通りです。
- 生物:資料集を活用してビジュアルで理解し、セミナー生物などの問題集で演習を積む
- 化学:重要問題集やセミナー化学で典型問題を繰り返し、計算問題に慣れる
- 実験考察対策:教科書の実験をすべて理解し、実験の目的や結果の考察ができるようにする
- 過去問演習:5年分以上の過去問を解き、東京農業大学特有の出題形式に慣れる
理科は暗記だけでは高得点が取れない科目です。原理や法則を深く理解し、それを応用できる力を身につけましょう。また、図表やグラフを正確に読み取る練習も欠かせません。
合格に向けた年間学習計画
東京農業大学に合格するためには、高校3年生の1年間を通じて計画的に学習を進めることが重要です。ここでは、時期別の学習の進め方と、押さえるべきポイントを解説します。一般的な目安として、平日は2.5時間、休日は4時間程度の学習時間を確保できると理想的です。
高3春〜夏:基礎固めと苦手科目の克服
4月から7月は、受験勉強の土台を作る最も重要な時期です。この時期に基礎をしっかり固めておくことが、秋以降の成績の伸びに直結します。
この時期の学習目標は以下の通りです。
- 英語:英単語1500語以上を覚え、基本的な英文法を完成させる
- 数学:数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの教科書レベルの問題をすべて解けるようにする
- 理科:生物または化学の全範囲を一通り学習し、基本事項を理解する
特に苦手科目の克服に力を入れるべき時期です。東京農業大学の入試では、3科目すべてでバランスよく得点する必要があるため、極端に苦手な科目があると不利になります。
学習の進め方としては、まず教科書の内容を完璧に理解することから始めましょう。その後、学校で配布されている問題集や参考書を使って、基本問題を繰り返し解きます。わからない問題は必ず先生に質問し、その場で解決するようにしましょう。
また、この時期から定期的に模試を受験することをおすすめします。6月や7月の模試で現在の学力レベルを把握し、志望学部との差を確認しましょう。模試の結果をもとに、学習計画を修正することも大切です。
夏休みは受験の天王山と言われる重要な時期です。1日8時間以上の学習時間を確保し、苦手分野の徹底的な克服に取り組みましょう。塾や予備校の夏期講習を活用するのも効果的です。
高3秋:応用力養成と過去問演習
9月から11月は、基礎力を応用力へと発展させる時期です。この時期には、志望校レベルの問題に挑戦し、実戦的な力を身につけます。
この時期の学習目標は以下の通りです。
- 英語:長文読解のスピードと正確性を高め、制限時間内に解き切る力をつける
- 数学:典型問題を完璧にし、やや難しい応用問題にも対応できるようにする
- 理科:実験考察問題や計算問題など、応用的な問題に取り組む
9月からは東京農業大学の過去問演習を開始しましょう。まずは1年分を時間を計って解き、現在の実力と合格ラインとの差を確認します。解き終わったら、間違えた問題を徹底的に分析し、なぜ間違えたのかを理解します。
過去問演習では、時間配分の練習も重要です。各科目60分という制限時間の中で、どの問題にどれくらいの時間をかけるか、戦略を立てましょう。難しい問題に時間をかけすぎて、簡単な問題を落とすことのないよう注意が必要です。
また、この時期には併願校の検討も始めます。東京農業大学と同じレベルの大学や、少し難易度の高い大学、安全校など、複数の大学を検討しましょう。それぞれの大学の入試傾向を調べ、効率的に対策できる併願パターンを考えます。
11月には共通テストの出願も始まります。共通テスト利用選抜を活用する場合は、共通テスト対策も並行して進める必要があります。マークシート形式に慣れることや、時間配分の練習が重要です。
高3冬:実践演習と最終調整
12月から入試本番までは、最後の仕上げの時期です。この時期は新しいことを学ぶのではなく、今まで学んだことを確実に定着させ、本番で力を発揮できるよう準備します。
この時期の学習目標は以下の通りです。
- 東京農業大学の過去問を最低5年分は解き、出題形式に完全に慣れる
- これまでに間違えた問題を総復習し、同じミスを繰り返さないようにする
- 苦手分野を最終確認し、少しでも不安な部分を解消する
1月中旬には共通テストがあります。共通テスト後は、自己採点の結果をもとに、出願する入試方式を最終決定します。共通テスト利用選抜で合格の可能性が高い場合は、一般選抜に向けてより集中して対策できます。
2月に入ると、いよいよ一般選抜が始まります。体調管理に十分注意し、万全の状態で試験に臨めるようにしましょう。睡眠時間を確保し、規則正しい生活を心がけます。
試験前日は、新しい問題を解くのではなく、これまでのまとめノートや間違えた問題の見直しを行います。自信を持って試験に臨めるよう、ポジティブな気持ちを保つことも大切です。
試験当日は、時間に余裕を持って会場に到着し、落ち着いて試験を受けましょう。わからない問題があっても焦らず、できる問題から確実に解いていくことが重要です。
東農大の合格戦略に関しては、以下の記事も読まれています。
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東京農業大学の就職状況と卒業後の進路
東京農業大学を選ぶ大きな理由の一つが、卒業後の充実した進路です。農学系の専門大学として長い歴史を持ち、企業からの信頼も厚いため、就職活動では非常に有利な立場に立つことができます。ここでは、具体的な就職実績と進路について詳しく見ていきましょう。
求人倍率5.48倍の圧倒的な就職力
東京農業大学の最大の強みは、極めて高い求人倍率です。2022年のデータでは、大学への求人倍率は5.48倍に達しており、これは全国平均の1.53倍を大きく上回る数字です。
この数字が意味するのは、学生1人あたり5社以上から求人があるということです。つまり、選択肢が非常に豊富で、自分に合った企業や仕事を見つけやすい環境が整っているのです。
実際の就職率も非常に高く、2022年3月の学部卒業生約2,970名のうち、約95%が就職しています。さらに、複数の学科では就職率100%を達成しており、コロナ禍においてもこの高い就職実績を維持しています。
就職に強い理由は、大学の三位一体の就職支援体制にあります。キャリアセンター、学科、研究室がそれぞれの強みを活かして学生をサポートする仕組みが確立されており、一過性の就活テクニックではなく、4年間を通じた本質的な就職支援が行われています。
キャリアセンターでは、1年次から参加できる「農大入門」や「キャリアデザイン講座」など、早期からキャリア意識を育成するプログラムを実施しています。また、3年次からの就職活動に向けて、業界研究セミナー、エントリーシート添削、模擬面接など、きめ細かなサポートが提供されます。
学科では、それぞれの専門分野に関連した企業との連携があり、学科独自の求人情報や業界情報を得ることができます。研究室では、指導教員や先輩からの具体的なアドバイスや、OB・OG訪問の橋渡しなど、人的ネットワークを活用した支援が受けられます。
主な就職先と業界別の内定実績
東京農業大学の卒業生は、食品・農業・環境・化学・医療・公務員など、幅広い分野で活躍しています。学部や学科によって就職先の傾向は異なりますが、それぞれの専門性を活かした就職が実現しています。
主な就職先企業は以下の通りです。
| 業界 | 主な就職先企業 |
|---|---|
| 食品メーカー | 山崎製パン、森永乳業、雪印メグミルク、明治、ニッスイ、日本ハムファクトリー、マルハニチロ、森永製菓、UHA味覚糖 |
| 農業・JA | JA全農、JA全農ミートフーズ、サカタのタネ、全国酪農業協同組合連合会、片倉コープアグリ |
| 環境・造園 | 日比谷アメニス、住友林業緑化、西武造園、内山緑地建設、大場造園 |
| 医療・製薬 | 第一三共、ゼリア新薬工業、日本全薬工業、わかもと製薬 |
| 公務員 | 農林水産省、国土交通省、東京都庁、神奈川県庁、千葉県庁、埼玉県庁、北海道庁 |
| 小売・サービス | 星野リゾート、よみうりランド、イオン、セブン-イレブン・ジャパン、マツモトキヨシ |
特に食品業界への就職に強いのが東京農業大学の特徴です。大手食品メーカーから地域の食品企業まで、幅広い企業への就職実績があります。農学や食品科学の専門知識を活かして、商品開発、品質管理、研究開発などの職種で活躍する卒業生が多数います。
また、公務員への就職実績も豊富です。農林水産省などの国家公務員のほか、都道府県庁や市区町村役場の地方公務員として、農業振興や環境保全の仕事に携わる卒業生も多くいます。
学部別では、生命科学部や応用生物科学部の卒業生は製薬会社や化粧品メーカー、バイオ関連企業への就職が多く、地域環境科学部の卒業生は造園会社や環境コンサルタント、建設会社への就職が目立ちます。
食品・農業・環境分野での強み
東京農業大学の卒業生が特に高く評価されるのは、食品・農業・環境の3つの分野です。これらの分野では、大学で培った専門知識と実践力が直接活かせるため、即戦力として期待されています。
食品分野では、食品メーカーの研究開発部門や品質管理部門で活躍する卒業生が多数います。新商品の開発、食品の安全性評価、生産工程の改善など、大学で学んだ食品科学の知識が実務に直結します。
また、食品流通や外食産業への就職も多く、食材のバイヤー、メニュー開発、店舗管理など、多様な職種で活躍しています。栄養科学科の卒業生は、管理栄養士として病院や福祉施設、給食センターなどで働くケースも多いです。
農業分野では、JAや農業法人、種苗会社、肥料・農薬メーカーなどへの就職が中心です。農業の六次産業化や地域ブランドの開発、スマート農業の推進など、新しい農業のあり方を創造する仕事に携わる卒業生も増えています。
近年は、農業ベンチャー企業や農業コンサルタントとして活躍する卒業生もおり、農業の可能性を広げる仕事に挑戦しています。また、実家の農業を継承し、大学で学んだ知識を活かして農業経営を革新するケースもあります。
環境分野では、造園・緑化関連企業、環境アセスメント会社、廃棄物処理企業などへの就職が多いです。地球環境問題への関心の高まりとともに、環境保全や持続可能な社会づくりに貢献する仕事のニーズが増えています。
森林総合科学科の卒業生は林業や森林組合で働くほか、木材加工会社や建設会社で活躍しています。造園科学科の卒業生は、都市緑化や公園設計、ランドスケープデザインの分野で専門性を発揮しています。
これらの分野では、東京農業大学という大学のブランド力も大きなアドバンテージとなります。農学系の専門大学として130年以上の歴史があり、業界との強いつながりがあるため、企業からの信頼が厚く、採用においても優遇されることが多いのです。
さらに、18万人を超える卒業生のネットワークは、就職活動だけでなく、入社後のキャリア形成においても大きな支えとなります。全国各地で活躍する先輩たちとのつながりは、東京農業大学ならではの財産です。
難関私大合格への道のり 