Last Updated on 2025年12月23日 by スマート学習ナビ
関東学院大学の基本情報と特徴
関東学院大学は横浜市に本部を置く私立大学で、キリスト教精神に基づいた教育を展開しています。11学部を擁する総合大学として、実学重視のカリキュラムと充実した就職支援体制が特徴です。神奈川県内では中堅私大として確固たる地位を築いており、地元企業からの評価も高い大学です。
関東学院大学の沿革とキャンパス
関東学院大学は1884年に横浜山手に創設された横浜バプテスト神学校を源流とし、140年近い歴史を持つ伝統校です。現在は金沢八景キャンパス、金沢文庫キャンパス、小田原キャンパス、横浜・関内キャンパスの4つのキャンパスを擁しています。
金沢八景キャンパスは大学の中心的存在で、最寄り駅から徒歩15分ほどの高台に位置しています。海を望む景観が美しく、充実した図書館施設や最新の研究設備を備えています。2023年には新校舎も完成し、学習環境がさらに向上しました。横浜・関内キャンパスは2021年に開設された新しいキャンパスで、社会学部と法学部地域創生学科が学んでいます。都心部に立地することで、企業や地域との連携がしやすく、実践的な学びの場となっています。
各キャンパスには学生食堂、カフェテリア、コンビニエンスストアなど学生生活を支える施設が充実しており、快適なキャンパスライフを送ることができます。また、スポーツ施設も整備されており、部活動やサークル活動も活発に行われています。
学部・学科の構成
関東学院大学は11学部を擁する総合大学として、幅広い学問分野をカバーしています。2024年度の学部構成は以下の通りです。
| 学部名 | 主な学科 | キャンパス |
|---|---|---|
| 国際文化学部 | 英語文化学科、比較文化学科 | 横浜・関内 |
| 社会学部 | 現代社会学科 | 横浜・関内 |
| 法学部 | 法学科、地域創生学科 | 横浜・関内 |
| 経済学部 | 経済学科 | 金沢八景 |
| 経営学部 | 経営学科 | 金沢八景 |
| 理工学部 | 生命科学、数理・物理、応用化学など7コース | 金沢八景 |
| 建築・環境学部 | 建築・環境学科 | 金沢八景 |
| 人間共生学部 | コミュニケーション学科、共生デザイン学科 | 金沢八景 |
| 教育学部 | こども発達学科 | 金沢八景 |
| 栄養学部 | 管理栄養学科 | 金沢八景 |
| 看護学部 | 看護学科 | 小田原 |
特に理工学部は7つのコースに分かれており、機械工学、電気電子工学、情報ネット・メディア、土木・都市防災などの専門分野を学ぶことができます。また、建築・環境学部は一級建築士の受験資格が取得でき、毎年高い合格率を誇っています。
文系学部では、社会学部が横浜・関内キャンパスに移転したことで、企業や自治体との連携プロジェクトが増加しています。国際文化学部では充実した留学プログラムが用意されており、在学中に海外での学びを経験する学生が多数います。法学部には地域創生学科が設置されており、地域社会の課題解決に取り組む実践的なカリキュラムが特徴です。
就職実績と企業からの評価
関東学院大学の就職率は例年95パーセント以上を維持しており、神奈川県内の私立大学の中でも高い水準にあります。特に地元企業への就職に強く、神奈川県内や首都圏の中堅企業から高い評価を得ています。
主な就職先として、製造業では日産自動車、キヤノン、富士通などの大手企業への実績があります。金融業界では横浜銀行、かながわ信用金庫などの地元金融機関、情報通信業では富士ソフト、システナなどのIT企業に多くの卒業生が就職しています。公務員試験合格者も毎年増加傾向にあり、横浜市役所や神奈川県庁への就職実績も豊富です。
就職支援体制も充実しており、キャリア支援センターでは1年次からキャリア教育を実施しています。企業との連携によるインターンシップ制度も整備されており、在学中に実務経験を積むことができます。個別の就職相談やエントリーシート添削、模擬面接など、きめ細やかなサポートが受けられる点も魅力です。また、OB・OG訪問のマッチングシステムも整備されており、先輩社会人から直接話を聞く機会も設けられています。
関東学院大学の偏差値と入試難易度
関東学院大学の偏差値は学部によって異なりますが、おおむね40から55の範囲に位置しています。神奈川県内の私立大学としては中堅レベルで、日東駒専よりやや下、大東亜帝国レベルの難易度と考えることができます。ここでは学部別の詳細な偏差値と入試難易度について解説します。
学部別偏差値一覧
2025年度入試における関東学院大学の学部別偏差値は以下の通りです。偏差値は予備校によって若干の差がありますが、ここでは代表的な数値を示しています。
| 学部 | 学科 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|---|
| 国際文化学部 | 英語文化学科 | 47.5-50.0 | 55-60% |
| 国際文化学部 | 比較文化学科 | 45.0-47.5 | 52-57% |
| 社会学部 | 現代社会学科 | 47.5-50.0 | 56-61% |
| 法学部 | 法学科 | 45.0-47.5 | 54-59% |
| 法学部 | 地域創生学科 | 42.5-45.0 | 50-55% |
| 経済学部 | 経済学科 | 45.0-47.5 | 53-58% |
| 経営学部 | 経営学科 | 45.0-47.5 | 54-59% |
| 理工学部 | 理工学科 | 40.0-45.0 | 48-55% |
| 建築・環境学部 | 建築・環境学科 | 45.0-47.5 | 55-60% |
| 人間共生学部 | コミュニケーション学科 | 42.5-45.0 | 51-56% |
| 教育学部 | こども発達学科 | 47.5-50.0 | 57-62% |
| 栄養学部 | 管理栄養学科 | 47.5-52.5 | 58-63% |
| 看護学部 | 看護学科 | 50.0-52.5 | 60-65% |
この表から分かるように、看護学部と栄養学部の偏差値が比較的高く、次いで教育学部、国際文化学部英語文化学科、社会学部が続きます。これらの学部は資格取得を目指すカリキュラムや実践的な教育内容が人気を集めており、競争率も高めです。
一方、理工学部は偏差値がやや低めに設定されていますが、これは理系学部全般に見られる傾向で、受験科目が数学と理科であるため文系科目と単純比較できない点に注意が必要です。実際の入試難易度は偏差値以上に感じる受験生も多く、特に数学の出題レベルは標準からやや難レベルとなっています。
他大学との偏差値比較
関東学院大学の位置づけをより明確にするため、同レベルの他大学と比較してみます。首都圏の私立大学の中で、関東学院大学は以下のような位置づけになります。
- 日東駒専レベル(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)よりやや下
- 大東亜帝国レベル(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学)と同等からやや上
- 神奈川県内の私大では神奈川大学に次ぐ位置づけ
神奈川県内の私立大学で比較すると、神奈川大学の偏差値が50から55程度であるのに対し、関東学院大学は40から52.5程度となっています。ただし、学部によっては神奈川大学と同等かそれ以上の難易度となる場合もあります。
首都圏全体で見ると、関東学院大学は桜美林大学、東京工科大学、文教大学などと同レベル帯に位置しています。これらの大学は地域に根ざした教育を展開しており、就職実績も良好なことから、安定した人気を保っています。受験戦略としては、日東駒専を第一志望とする場合の併願校として、また大東亜帝国レベルを目指す場合のチャレンジ校として位置づけることができます。
入試難易度の推移と傾向
関東学院大学の入試難易度は、ここ数年で緩やかな上昇傾向にあります。特に2021年の横浜・関内キャンパス開設以降、社会学部と法学部の人気が高まり、これらの学部の偏差値は2から3ポイント上昇しました。
入試倍率を見ると、全学部平均で一般選抜が3から4倍程度、共通テスト利用入試が2から3倍程度となっています。看護学部や栄養学部、教育学部は人気が高く、一般選抜で5倍を超えることもあります。一方、理工学部の一部コースでは2倍程度と比較的受験しやすい状況です。
合格最低点は学部や入試方式によって異なりますが、一般選抜では得点率60から70パーセントが目安となります。共通テスト利用入試では50から65パーセント程度で合格圏内に入ることができます。ただし、人気学部では得点率70パーセント以上が必要となる場合もあるため、過去問演習で自分の実力を正確に把握することが重要です。
近年の傾向として、総合型選抜や学校推薦型選抜の募集人員が増加しています。これらの入試方式は一般選抜よりも早い時期に実施されるため、早期に進路を決定したい受験生にとって有利な選択肢となります。また、英語外部検定試験のスコアを活用できる入試制度も導入されており、英検やTOEICなどで一定のスコアを取得している受験生は、入試で優遇措置を受けることができます。
関東学院大学の入試制度と出願方法
関東学院大学では多様な入試制度を用意しており、受験生は自分の得意分野や進路希望に応じて最適な入試方式を選択することができます。一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜、共通テスト利用入試など、それぞれの特徴を理解して戦略的に出願することが合格への近道となります。
一般選抜の特徴と日程
関東学院大学の一般選抜は、前期日程、中期日程、後期日程の3回実施されます。前期日程が最も募集人員が多く、合格のチャンスが大きい入試となっています。
前期日程は2月初旬に実施され、試験日が複数日設定されています。試験日自由選択制を採用しており、受験生は都合の良い日程を選んで受験することができます。また、同一の検定料で複数の学部・学科を併願できる併願割引制度も設けられており、経済的負担を軽減しながら複数学部にチャレンジすることが可能です。
| 入試日程 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 前期日程 | 1月上旬-1月下旬 | 2月上旬(複数日設定) | 2月中旬 |
| 中期日程 | 2月上旬-2月中旬 | 2月下旬 | 3月上旬 |
| 後期日程 | 2月下旬-3月上旬 | 3月中旬 | 3月下旬 |
試験科目は学部によって異なりますが、文系学部では国語、英語、選択科目(日本史、世界史、政治・経済、数学から1科目選択)の3科目型が基本です。理系学部では数学、英語、理科(物理、化学、生物から1科目選択)の3科目型となります。各科目とも試験時間は60分、配点は100点満点です。
中期日程と後期日程は募集人員が少なくなりますが、前期日程で思うような結果が出なかった受験生にとって貴重なチャンスとなります。特に後期日程は試験科目が2科目に削減される学部もあり、短期集中で対策を立てやすい特徴があります。ただし、倍率は前期日程より高くなる傾向があるため、十分な準備が必要です。
総合型選抜・学校推薦型選抜
関東学院大学では、学力試験だけでは測れない多様な能力や意欲を評価する総合型選抜と、高校での学習成績を重視する学校推薦型選抜を実施しています。これらの入試は一般選抜より早い時期に合否が決まるため、進路を早期に確定したい受験生に適しています。
総合型選抜は9月から11月にかけて複数回実施されます。出願資格は学部によって異なりますが、多くの学部で評定平均値の基準は設けられておらず、意欲的な受験生であれば誰でもチャレンジできます。選考方法は以下のような内容が組み合わされています。
- 書類審査:志望理由書、自己推薦書、調査書などで受験生の意欲や適性を評価
- 面接試験:個人面接またはグループ面接で、コミュニケーション能力や学習意欲を確認
- 小論文:学部に関連するテーマについて、論理的思考力や表現力を評価
- プレゼンテーション:一部の学部で実施、研究計画や興味のあるテーマについて発表
総合型選抜では、志望理由書の質が合否を大きく左右します。なぜその学部を志望するのか、入学後に何を学びたいのか、将来どのような分野で活躍したいのかを具体的に記述することが重要です。オープンキャンパスに参加して実際にキャンパスを見学したり、教員や在学生と話をしたりした経験を盛り込むと、より説得力のある志望理由書になります。
学校推薦型選抜は、指定校推薦と公募制推薦の2種類があります。指定校推薦は関東学院大学が指定した高校の生徒のみが出願でき、評定平均値などの出願条件を満たせば、ほぼ確実に合格できる入試です。公募制推薦は評定平均値3.5以上などの条件を満たせば、どの高校からでも出願できます。選考は書類審査、面接、小論文などで行われ、11月中に合否が決定します。
共通テスト利用入試の活用法
共通テスト利用入試は、大学独自の試験を受けることなく、大学入学共通テストの成績だけで合否が決まる入試制度です。関東学院大学では、前期、中期、後期の3回に分けて募集を行っています。
前期日程は最も募集人員が多く、共通テストの受験後すぐに出願できる方式です。文系学部では3科目型が一般的で、英語、国語、選択科目(地歴公民または数学)の合計点で判定されます。理系学部では数学、英語、理科の3科目が必要です。合格ラインは学部によって異なりますが、得点率50から65パーセント程度が目安となります。
共通テスト利用入試の最大のメリットは、一度の試験で複数の大学に出願できる点です。関東学院大学の共通テスト利用入試に出願しながら、同じ共通テストの成績で他大学にも出願することができます。また、大学独自の試験がないため、試験日程の重複を気にせず併願校を増やすことができます。
戦略的な活用法としては、一般選抜と共通テスト利用入試の両方に出願する方法があります。共通テストで高得点が取れた場合は共通テスト利用入試で合格を確保し、思うような点数が取れなかった場合は一般選抜でリベンジするという二段構えの戦略が可能です。また、共通テストの得点率が50パーセント台でも合格可能性がある学部があるため、共通テストの結果が芳しくなかった受験生でも諦めずに出願してみる価値があります。
出願時の注意点として、科目選択を慎重に行う必要があります。共通テストでは複数科目を受験していても、大学によって利用する科目が指定されているため、出願前に必ず募集要項で確認してください。また、英語はリーディングとリスニングの配点比率が大学によって異なるため、関東学院大学の配点方式を確認しておくことが重要です。
関東学院高校に関しては、以下の記事をご参照ください。
学部別入試対策と合格最低点
関東学院大学の入試問題は、基礎から標準レベルの問題が中心で、教科書の内容をしっかり理解していれば十分に対応できます。ただし、学部によって出題傾向が異なるため、志望学部に特化した対策が必要です。ここでは文系学部と理系学部に分けて、効果的な入試対策を解説します。
文系学部の入試対策
関東学院大学の文系学部では、国語、英語、選択科目の3科目で入試が実施されます。いずれの科目も基礎的な問題が中心ですが、試験時間に対して問題量がやや多いため、スピードと正確性が求められます。
国語は現代文と古文の2分野から出題されます。現代文は評論文が中心で、文章の論理構造を把握する力が問われます。設問は漢字の読み書き、空欄補充、内容説明、理由説明などがバランスよく出題されます。難易度は標準レベルで、センター試験や共通テストの過去問で練習しておけば十分に対応できます。古文は物語や随筆から出題されることが多く、文法問題と内容理解問題が中心です。基本的な古文単語300語程度と、助動詞・助詞の文法事項を押さえておけば得点できる内容です。
英語は長文読解が配点の大部分を占めます。長文読解は500語から800語程度の文章が2から3題出題され、内容一致問題、空欄補充、語句整序などが問われます。文章のテーマは社会問題、科学技術、文化など多岐にわたりますが、難解な専門用語はほとんど使用されません。速読力を養うため、日頃から英文を多読する習慣をつけることが重要です。文法問題は標準的な内容で、時制、仮定法、関係詞、不定詞、動名詞などの基本文法が出題されます。また、語彙問題では高校英語の基本単語2000語レベルが求められます。
選択科目は日本史、世界史、政治・経済、数学の中から1科目を選択します。日本史は古代から現代まで幅広く出題されますが、近現代史の出題比率がやや高めです。教科書の太字部分を中心に、政治史、外交史、文化史をバランスよく学習することが大切です。世界史は欧米史とアジア史が中心で、特に近現代の国際関係が頻出です。政治・経済は時事問題と絡めた出題が多く、日頃からニュースに関心を持つことが有効です。数学を選択する場合は、数学I・数学Aの範囲から出題され、二次関数、確率、図形の性質などが頻出単元です。
合格最低点は年度や学部によって変動しますが、文系学部では3科目合計で180点から210点程度(300点満点中、得点率60から70パーセント)が目安となります。国際文化学部英語文化学科や社会学部などの人気学部では210点以上、法学部地域創生学科や経済学部では180点前後が合格ラインとなることが多いです。自分の志望学部の過去の合格最低点を確認し、それを上回る得点を目標に学習計画を立てましょう。
理系学部の入試対策
理系学部の入試は数学、英語、理科の3科目で実施されます。数学と理科の配点が高く設定されている学部もあるため、理系科目の対策が合否を分けるポイントとなります。
数学は数学I・数学II・数学III・数学A・数学Bの範囲から出題されます。頻出単元は微分積分、ベクトル、数列、三角関数、指数対数関数などです。関東学院大学の数学は基本から標準レベルの問題が中心ですが、計算量が多く、ミスなく正確に解く力が求められます。微分積分では、関数の増減や極値、面積計算などの典型問題が繰り返し出題されるため、パターンを身につけることが重要です。ベクトルは空間ベクトルを含む総合問題が出題されることが多く、図形的なイメージを持ちながら解く練習が必要です。
対策としては、教科書の例題と章末問題を完璧に解けるようにすることが第一歩です。その後、チャート式数学の黄色または青色レベルの問題集で演習を重ねましょう。過去問演習では、時間配分を意識して解く練習が効果的です。60分で大問4から5題を解く必要があるため、1問あたり10から15分で解答する感覚を身につけてください。計算ミスを防ぐため、途中式を丁寧に書く習慣も大切です。
理科は物理、化学、生物の中から1科目を選択します。物理は力学、電磁気、波動、熱力学から出題され、特に力学と電磁気の配点が高めです。公式の丸暗記ではなく、物理現象の本質を理解することが重要です。化学は理論化学、無機化学、有機化学がバランスよく出題されます。計算問題では mol 計算、濃度計算、化学平衡などが頻出で、正確な計算力が求められます。生物は遺伝、代謝、生態系などから幅広く出題されますが、実験考察問題の配点が高く、データを読み取って論理的に考える力が問われます。
英語は文系学部と同様に長文読解が中心ですが、理系学部では科学技術に関する英文が出題されることがあります。理系英単語も含めて語彙を増やしておくと有利です。ただし、全体的な難易度は文系学部と大きく変わらないため、基本的な英語力があれば対応できます。
理系学部の合格最低点は3科目合計で170点から200点程度(300点満点中、得点率55から65パーセント)が目安です。建築・環境学部や理工学部の人気コースでは200点前後が必要ですが、理工学部の一部コースでは170点台で合格できる場合もあります。理系科目で確実に得点を重ねることが合格への鍵となります。
過去問分析と頻出分野
関東学院大学の入試問題には明確な出題傾向があり、過去問を分析することで効率的な対策が可能です。過去5年分の問題を解いてみると、繰り返し出題される単元や出題形式のパターンが見えてきます。
各科目の頻出分野と対策のポイントをまとめると以下のようになります。
| 科目 | 頻出分野 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 国語 | 現代文の論理展開、古文文法 | 接続詞に注目して文章構造を把握、助動詞の意味を正確に理解 |
| 英語 | 長文読解、文法問題(時制・仮定法) | パラグラフリーディング、基本文法の反復練習 |
| 数学 | 微分積分、ベクトル、数列 | 典型問題のパターン習得、計算力強化 |
| 物理 | 力学(運動方程式)、電磁気 | 現象の理解と法則の適用練習 |
| 化学 | mol計算、化学平衡、有機化学 | 計算問題の反復、構造式の書き方習得 |
| 日本史 | 近現代史、文化史 | 教科書の流れを理解、史料問題対策 |
過去問演習は遅くとも受験の3か月前から始めることをお勧めします。最初は時間を気にせず、じっくり解いて出題形式に慣れることを優先してください。その後、本番と同じ時間配分で解く練習を重ね、自分の得意不得意を把握します。間違えた問題は必ず解説を読んで理解し、類題を探して解き直すことが重要です。
赤本や青本などの過去問題集には、前年度の合格者平均点や合格最低点が掲載されています。この情報を参考に、各科目で何点を目指すべきか具体的な目標を設定しましょう。例えば、合格最低点が200点の場合、得意科目で80点、普通の科目で65点、やや苦手な科目で60点という配分で目標を立てることができます。全科目で満点を目指す必要はなく、総合点で合格ラインを超えることを目標に戦略的に学習を進めてください。
関東学院大学合格のための勉強法
関東学院大学に合格するためには、基礎力の徹底と過去問演習のバランスが重要です。難問奇問はほとんど出題されないため、教科書レベルの内容を確実に理解し、標準的な問題を確実に解ける力を養うことが合格への近道となります。ここでは科目別の効果的な学習法と、併願校の選び方について解説します。
科目別効果的学習法
英語の学習は単語、文法、長文読解の3本柱で進めます。単語は高校基本レベルの2000語を確実に覚えることが最優先です。英単語ターゲット1900やシステム英単語などの単語帳を1冊選び、毎日100語ずつ復習する習慣をつけましょう。1日で完璧に覚えようとせず、何度も繰り返し目を通すことで自然に定着します。
文法はVintageやNextStageなどの文法問題集を使い、時制、仮定法、不定詞、動名詞、関係詞などの重要項目を集中的に学習します。1周目は解説をじっくり読んで理解し、2周目以降は素早く解いて知識の定着を確認します。最低3周は繰り返すことで、本番で迷わず解答できる力がつきます。
長文読解は毎日1題ずつ解く習慣が効果的です。英語長文レベル別問題集のレベル3から4あたりから始め、徐々にレベルを上げていきます。読解のコツは、段落ごとに要点をメモしながら読むことです。各段落で筆者が何を主張しているのかを把握できれば、内容一致問題にも対応できます。また、音読練習も有効で、正しい発音とリズムで英文を読むことで、読解スピードが自然に向上します。
数学は基本問題の反復が最も重要です。教科書の例題をすべて自力で解けるようになるまで繰り返し、その後チャート式数学の黄色か青色レベルで演習を積みます。1問につき、まず自分で考えて解き、分からなければ解説を読んで理解し、翌日もう一度解き直すというサイクルを回します。
特に重要な単元は微分積分、ベクトル、三角関数です。これらは配点が高く、他の単元の基礎にもなるため、優先的に学習しましょう。計算ミスを防ぐため、途中式を丁寧に書く習慣をつけることも大切です。また、公式は丸暗記するのではなく、導出過程を理解することで応用力がつきます。
国語の現代文は論理的読解力を鍛えることが重要です。現代文キーワード読解などで頻出語句の意味を学び、入試現代文へのアクセスシリーズで読解練習を積みます。文章を読む際は、接続詞や指示語に注目し、筆者の主張と具体例を区別しながら読む訓練をしましょう。
古文は古文単語と文法を優先します。古文単語ゴロゴや読んで見て覚える重要古文単語315で基本単語300語を覚え、ステップアップノート30古典文法基礎ドリルで文法を固めます。特に助動詞と助詞の意味と接続を正確に覚えることが、読解力向上の鍵となります。
理科は科目によって対策が異なります。物理は物理のエッセンスで基本法則を理解し、良問の風で演習を積むのが効果的です。化学はセミナー化学やリードα化学で基本問題を繰り返し、計算力を強化します。生物は教科書の図や表を丁寧に見て、現象のメカニズムを理解することが大切です。
社会科目は一問一答と問題集の組み合わせが効果的です。日本史は日本史B一問一答で用語を覚え、実力をつける日本史100題で記述力を養います。世界史も同様に、用語暗記と問題演習のバランスを取りましょう。政治・経済は時事問題対策として、日頃から新聞やニュースに目を通す習慣をつけることが重要です。
併願校の選び方と受験スケジュール
関東学院大学を受験する際は、チャレンジ校、実力相応校、安全校の3段階で併願校を選ぶことが基本です。偏差値だけでなく、試験日程、入試科目、キャンパスの立地なども考慮して、総合的に判断します。
関東学院大学を実力相応校とする場合のモデルケースを示します。
- チャレンジ校:日本大学、東洋大学、専修大学、駒澤大学、神奈川大学
- 実力相応校:関東学院大学、東京工科大学、桜美林大学、文教大学
- 安全校:東海大学、大東文化大学、帝京大学、国士舘大学
この組み合わせで合計6から8校程度に出願するのが一般的です。ただし、出願数を増やしすぎると経済的負担も大きくなり、受験疲れで本命校の試験に影響が出る可能性もあります。自分の実力と志望順位を考慮して、適切な出願数を決めましょう。
受験スケジュールを組む際は、試験日程の重複に注意が必要です。2月の私立大学入試シーズンは、多くの大学が同じような日程で試験を実施するため、事前に各大学の試験日を確認して、スケジュール表を作成しましょう。理想的な受験スケジュールは、まず安全校で合格を確保し、その後実力相応校とチャレンジ校を受験する流れです。
1月中に共通テストを受験し、2月初旬から私立大学の一般入試が始まります。関東学院大学の前期日程は2月上旬に実施されるため、このタイミングで確実に受験しましょう。中期・後期日程も視野に入れておくと、前期で思うような結果が出なかった場合の保険になります。
また、共通テスト利用入試を積極的に活用することで、受験機会を増やすことができます。関東学院大学を含む複数の大学に共通テスト利用入試で出願しておけば、個別試験を受けることなく合格のチャンスを得られます。共通テストの得点率が50から60パーセント程度あれば、関東学院大学の共通テスト利用入試で合格圏内に入るため、積極的に検討してください。
おすすめ参考書と問題集
関東学院大学合格に向けて、効果的な参考書と問題集を科目別に紹介します。レベル別に段階を踏んで学習することで、着実に実力を伸ばすことができます。
| 科目 | 基礎固め | 実力養成 | 過去問演習 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 英単語ターゲット1900、大岩のいちばんはじめの英文法 | Vintage、英語長文レベル別問題集4 | 関東学院大学赤本、日東駒専の過去問 |
| 数学 | 白チャート、教科書傍用問題集 | 黄チャート、基礎問題精講 | 関東学院大学赤本、標準問題精講 |
| 国語 | マドンナ古文単語230、古文文法ステップアップノート | 入試現代文へのアクセス、古文上達基礎編 | 関東学院大学赤本、センター過去問 |
| 物理 | 物理のエッセンス | 良問の風、名問の森 | 関東学院大学赤本、理系標準問題集 |
| 化学 | セミナー化学、岡野の化学が初歩からしっかり身につく | 化学重要問題集 | 関東学院大学赤本、理系標準問題集 |
| 日本史 | 金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本 | 実力をつける日本史100題、日本史B一問一答 | 関東学院大学赤本、センター過去問 |
参考書選びのポイントは、自分のレベルに合ったものを選ぶことです。背伸びして難しい問題集を選んでも、理解できずに挫折してしまう可能性があります。まずは基礎レベルの参考書で確実に理解を深め、その後段階的にレベルを上げていきましょう。
また、1冊を完璧にすることが重要です。多くの参考書に手を出すより、選んだ1冊を繰り返し解いて完全に自分のものにする方が、実力向上につながります。問題集は最低3周、できれば5周繰り返すことで、知識が確実に定着します。
過去問演習では、関東学院大学の赤本だけでなく、同レベルの大学の過去問も活用しましょう。日本大学、東洋大学、神奈川大学などの過去問は、出題形式や難易度が似ているため、良い練習になります。特に日東駒専レベルの問題は、関東学院大学よりやや難しいため、これらの過去問で力をつけておけば、本番で余裕を持って解答できます。
関東学院大学受験生がよく利用する塾・予備校
関東学院大学を目指す受験生の多くは、塾や予備校を活用して効率的に学習を進めています。大手予備校の集団授業、個別指導塾のマンツーマン指導、オンライン学習サービスなど、自分の学習スタイルや目標に合わせて選択することが重要です。ここでは、関東学院大学受験に適した塾・予備校の選び方を解説します。
大手予備校の関東学院大対策コース
大手予備校では、日東駒専レベルの大学を目指すコースが、関東学院大学志望者に適しています。河合塾、駿台予備学校、代々木ゼミナール、東進ハイスクールなどが代表的です。
河合塾の私大文系コースや私大理系コースでは、日東駒専から大東亜帝国レベルの私立大学を志望する生徒を対象に、基礎から応用まで体系的に指導します。科目別に精選されたカリキュラムで、入試に必要な知識と解法テクニックを効率よく習得できます。また、定期的に実施される模擬試験で、自分の実力を客観的に把握することができます。
駿台予備学校は理系教育に強みがあり、理工学部や建築・環境学部を志望する受験生に適しています。特に数学と理科の授業は、基本原理から丁寧に解説してくれるため、理解が深まります。駿台の全国判定模試では、関東学院大学の合格判定も出るため、自分の立ち位置を確認しながら学習を進められます。
東進ハイスクールは映像授業が特徴で、自分のペースで学習を進めたい受験生に向いています。有名講師による分かりやすい授業を何度でも視聴でき、理解できるまで繰り返し学習できる点がメリットです。また、高速マスター基礎力養成講座では、英単語や古文単語を効率的に暗記できるシステムが用意されています。校舎は駅近に多く、通学しやすい立地も魅力です。
大手予備校のメリットは、充実した教材と豊富な入試情報です。過去の入試データや合格者の体験談が蓄積されており、効率的な受験戦略を立てることができます。また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境も、モチベーション維持に役立ちます。一方、集団授業のため、個別の質問対応には限界がある点には注意が必要です。授業についていけない場合は、個別指導を併用することも検討しましょう。
個別指導塾の活用方法
個別指導塾は、自分の理解度やペースに合わせて学習できるため、苦手科目の克服や基礎力の強化に効果的です。TOMAS、個別教室のトライ、明光義塾、スクールIEなどが代表的な個別指導塾です。
TOMASは完全1対1の個別指導で、生徒一人ひとりに専用のカリキュラムを作成します。関東学院大学合格を目標とする場合、現在の学力と入試までの期間を考慮して、最適な学習プランを提案してくれます。苦手科目を集中的に指導してもらうことで、短期間での成績向上が期待できます。講師は難関大学の学生や社会人が多く、質の高い指導を受けられる点が特徴です。
個別教室のトライは全国展開している大手個別指導塾で、豊富な指導実績があります。関東学院大学の入試傾向を熟知した講師が、効率的な学習方法を指導します。また、AIを活用した学習診断システムで、苦手分野を科学的に分析し、最短ルートでの成績向上を目指します。授業の振り替えや講師の変更も柔軟に対応してくれるため、部活動との両立もしやすい環境です。
明光義塾は自立学習を重視した指導スタイルが特徴です。講師が一方的に教えるのではなく、生徒自身が考えて解く力を養います。関東学院大学の入試は基礎から標準レベルの問題が中心なので、自分で考えて解く力を身につけることが合格への近道です。また、定期テスト対策にも力を入れているため、高校の成績を上げて推薦入試を狙う戦略も可能です。
個別指導塾を選ぶ際のポイントは、講師との相性と指導方針です。体験授業を受けて、自分に合った塾かどうか確認しましょう。また、料金体系も塾によって異なるため、予算に合わせて選ぶことが重要です。週に何回通うか、何科目受講するかによって費用が変わるため、事前に見積もりを取ることをお勧めします。
個別指導塾の効果的な活用法は、苦手科目に絞って受講することです。全科目を個別指導で受けると費用がかさむため、英語と数学だけ個別指導を受け、他の科目は自習で対応するなど、メリハリをつけた利用が賢明です。また、定期的に学習の進捗状況を講師と確認し、カリキュラムを調整してもらうことも大切です。
オンライン学習サービスの選び方
近年、オンライン学習サービスが充実してきており、自宅にいながら質の高い授業を受けられるようになりました。スタディサプリ、Z会、進研ゼミなどが代表的なサービスです。
スタディサプリは月額2,178円という低価格で、すべての科目の授業が見放題になるサービスです。関東学院大学レベルを目指す受験生には、スタンダードレベルやベーシックレベルの講座が適しています。有名予備校講師による分かりやすい授業で、基礎から着実に学力を伸ばすことができます。
特に関正生先生の英語、山内恵介先生の数学、伊藤賀一先生の社会科目は評価が高く、多くの受験生が活用しています。また、単元別に授業が分かれているため、苦手な分野だけを集中的に学習することも可能です。テキストは無料でダウンロードでき、印刷して使用できます。
Z会は添削指導が充実しており、記述問題の対策に効果的です。関東学院大学の入試では記述問題の配点は高くありませんが、国語や英語の記述問題で確実に得点するためには、添削を受けて表現力を磨くことが有効です。Z会の教材は難易度がやや高めですが、応用力を身につけたい受験生に適しています。
進研ゼミは総合的なサポートが特徴で、教材だけでなく、学習プランの提案や進路相談なども利用できます。関東学院大学を志望校として登録すると、入試に特化した対策教材が届きます。また、スマホアプリで質問できるシステムもあり、分からない問題をすぐに解決できる点が便利です。
オンライン学習サービスのメリットは、時間と場所を選ばない点です。部活動が忙しい生徒や、通塾が難しい地域に住んでいる生徒でも、質の高い教育を受けられます。また、費用が予備校や個別指導塾より安いため、経済的な負担も軽減できます。
一方、デメリットとしては、自己管理能力が必要な点が挙げられます。予備校のように決まった時間に授業があるわけではないため、自分で学習計画を立てて実行する必要があります。モチベーションの維持が難しい生徒は、保護者と一緒に学習スケジュールを立てるなど、工夫が必要です。
おすすめの活用方法は、オンライン学習と個別指導の併用です。基礎的な内容はスタディサプリなどのオンライン学習で学び、分からない部分は個別指導で質問するという組み合わせが効率的です。また、夏期講習や冬期講習だけ予備校に通い、普段はオンライン学習で勉強するという方法もあります。自分の生活スタイルや学習スタイルに合わせて、最適な学習方法を見つけてください。
関東学院大学は、充実した教育環境と高い就職実績を誇る総合大学です。偏差値は40から52.5程度と、基礎からしっかり学習すれば十分に合格可能なレベルです。入試問題も標準的な内容が中心なので、教科書レベルの知識を確実に身につけ、過去問演習で出題傾向に慣れることが合格への近道となります。
受験勉強は長期戦ですが、明確な目標を持ち、計画的に学習を進めることで、必ず結果につながります。自分に合った学習方法を見つけ、コツコツと努力を積み重ねてください。
難関私大合格への道のり 